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T君はちょっぴり幼い感じ。クラスのみんなから可愛がられるお得な子です。できないことがあるとみんながやってあげちゃう。そして、みんながやってくれるからめんどくさいことは全部お願いする癖がついちゃってる。イケません。ま、これは前置きでして、そんなT君が午後に突然、「明日お休みします!」って僕に言いました。いきなりだったし、T君が言うもんだから笑えちゃいました。「どうして休むの?」と聞くと、「明日ディズニーランドに行くの!」ってうれしそうに話してくれました。そこで、僕は意地悪をしたんです。「園長先生に聞いて、“いいよ”って言ってもらえたら休んでもいいよ」って。そしたら、うれしそうに友達のR君を連れて1階に降りて行きました。そして、5分もたたないうちに戻ってきました。
僕:「ちゃんと言ってきた?園長先生なんだって?」
T君:「ダメって言われた」
僕:「えっ?なんで?」
R君:「あのね、Tが自分で言わんかったから俺が代わりに言ってやったんだわ」
おいお~い。こんなことも君はお願いしちゃうわけ?と思ったし、なんか面白そうな予感がしたので
僕:「T君自分で言わなかったからダメなんじゃない?もう一度自分のお口で言ってきてごらん」ってもう一度行かせました。そして、もちろん後ろをこっそりつけて行きました。
職員室に入ってありったけの勇気を振り絞って
T君:「園長先生、明日お休みします」
そしたら、もう園長先生が最高!真剣な顔してT君と向き合い
園長:「ダメ!!T君こなかったら園長先生とっても寂しい」
笑えた~!びっくりしたT君は動揺を隠せない様子で急いで職員室を飛び出してきました。そこで僕とご対面。そして、
僕:「園長先生なんだって?」と聞くと
T君:「ダメ!!って言われた」(半泣き状態)
あ~、もうおかしい。園長先生の勘違いも僕は分かっていたので、おかしくてしょうがなかったんです。またダメって言われたT君の慌てっぷりが、僕の中ですごくヒットしてしまったわけで、意地悪な僕はまた行かせたんです。
僕:「なんでだめなんだろうね?よし、今度は先生も一緒に行ってあげるよ」
職員室への侵入3回目…。(僕がT君の後ろについて)
T君:「明日、お休みします」
内心、“もうこの言葉何回言ってんだよ?”って僕はおかしくてしょうがない。そしたら園長先生も最高!!
園長:「ダメ!!どうして休むの?頑張っておいでよ。園長先生待ってるから」って。
また言われた~!険しきディズニーへの道!!もう、T君ボロボロで泣けそうだし~。笑いが止まらんし!でも、ちょっぴりかわいそうになってきたので、僕は笑いながら
僕:「T君さぁ、どうして休むのか教えてあげなきゃ」って助け舟を出しました。
T君:「ディズニーランド行ってきます」(半泣き状態)
園長:「えっ?そうだったのぉ~!ごめ~ん、あたしさぁ、この子が園に来たくないのかと思っちゃって必死に止めちゃってたの!」
僕:「知ってます」
園長:「いいなぁ、ディズニーランド行っておいで~!!」
いやぁ、めでたしめでたし。よかったね~。T君にも笑顔が戻りました。
それにしても、僕ってホントひどい保育者だなぁ。